千葉市    南北合同チームに韓国国民が猛反対 

千葉市      南北合同チームに韓国国民が猛反対

 

五輪史上初の南北統一チーム結成が意外にも韓国国内で反発を呼んでいる。
第23回冬季オリンピックが、2月9日から韓国・平昌にて開催される。日本でも連日報道されているが、韓国と北朝鮮が「南北統一旗」で入場することや、オリンピック/パラリンピックに数百人規模の応援団が北朝鮮から参加すること。さらに開催1か月前に急きょ女子アイスホッケーチームが、韓国チーム23名に北朝鮮選手12名を追加した35名の南北合同チームで出場することなど、南北融和ムードに注目が集まっている。

激怒する韓国選手も 北朝鮮と平昌五輪統一チーム結成に韓国世論は猛反発

初めて南北がスポーツの国際大会に合同チームで参加したのは、オリンピックではなく1991年に千葉市で開催された卓球の世界選手権だった。南北合同の女子団体チームは優勝し、このエピソードは後に2012年にペ・ドゥナとハ・ジウォン主演で映画化された。日本でも翌年『ハナ ~奇跡の46日間~』のタイトルで劇場公開されている。

『ハナ ~奇跡の46日間~』より
卓球の世界選手権でも政治のために選手が涙を流した
今回の平昌五輪同様、この卓球世界選手権でも大会直前になって突然南北合同チームでの参加が決まり、映画では選手たちが困惑する場面が描写されている。

劇中で韓国の選手が「誰がこんな合同チーム発足を指示したのか? 私は反対だ」と言うのに対して、代表チーム上層部が「国家の決定に不満があるようだが、嫌なら出て行け。代表チームの名簿から綺麗に名を消してやるから」と言うシーンがあり、公開当時は観客らから批判されたという。
冬季五輪誘致のためチームを結成
では、今回のように南北の女子アイスホッケー選手が合同チームで活動することを描いた韓国映画は……というと、少し変則的な合同チームではあるが、実はすでに存在する。タイトルは『国家代表2』。韓国では2016年に公開されたが、日本では今現在未公開の作品だ。韓国で840万人以上を動員したヒット映画『国家代表』(2009年)の続編として制作された。

2003年に青森で開催された冬季アジア大会の韓国チームの実話をベースに作られたこの映画は、韓国の国家代表チームに北朝鮮で選手だった脱北者1名を加えたチームの物語だ。そもそもそれまで韓国には女子アイスホッケーチームは存在せず、チームの結成は今回の冬季オリンピックを韓国に誘致するためだった。

アイスホッケー初心者がほとんどという寄せ集めの選手たちがだんだん成長していき、最後にはチーム一丸となって各国の国家代表チームと戦う。初めは脱北者の選手に反発していたチームのリーダーも、練習を重ねるうちに相手の存在を認めるようになり、最後には2人がチームのエースとして活躍する。

 

脱北した元アイスホッケー選手が合流
紆余曲折を経てアイスホッケー代表チームが団結、成長していくスポ根ものと思いきや、物語は中盤からクライマックスにかけ、主人公の脱北者の人間ドラマが展開する。彼女には北朝鮮にひとり置き去りにしてきた妹がいたのだ。物語の終盤、北のアイスホッケー代表選手となった妹と氷上で再会し、南と北のライバルとしてリンクの上で激しくぶつかり合う戦いが見どころだ。

今回の平昌五輪合同チームとはやや異なるものの、オリンピック誘致やアイスホッケーチームが描かれ、今回の平昌オリンピックに関わった題材が多く、全てのエピソードが事実ではないにしろ、実際にモデルになった選手は実在する。主人公である脱北者リ・ジウォン選手のモデルとなったファン・ボヨンだ。

2011年まで現役選手生活を続け、現在は京畿道にある障がい者アイススレッジホッケーの監督を務めている。アイススレッジとは、アイスホッケーと同様のルールだが、スケート靴の代わりにソリに乗って競技する、下半身に障害がある選手もホッケーができるよう開発されたスウェーデン発祥のスポーツである。

ファン・ボヨンは、1月21日BBCラジオ放送に出演し、今回の南北合同チームに関して反対する意見を語った。「政治的歴史を作り上げるためにスポーツに政治を持ち込むことは、やってはならないことだ」と発言し、実際に平昌オリンピック女子アイスホッケーチームの国家代表チームの選手たちと電話で話したところ、「かなり落ち込んでいた。精神的ストレスをかなり受けているようだった」と語った。

オリンピック女子アイスホッケー国家代表チームであるイ・ミンジ選手は、自身のSNSに20日「合同チームの話を初めて聞いたときは、不可能だと思っていた。今のこの状態が信じられない」と心境を公にしている。
マイナースポーツを合同チームの対象にした文政権
映画で描かれたファン・ボヨンの参加した2003年のアジア大会とはいえ国際大会なのにもかかわらず、日本、韓国、北朝鮮、中国、カザフスタンの5チームしか参加をしていない。また、映画の最後には字幕で「2016年現在、韓国の公式な女子アイスホッケーチームは国家代表チームのみである」とクレジットされている。韓国で女子のアイスホッケーはかなりマイナーなスポーツなのだ。実際世界ランキングでみても、韓国は22位の位置にある。

そんな中、16日に李洛淵(イ・ナギョン)首相が発した発言が波紋を呼んだ。「なぜ合同チームなのか?」「しかもこの時期に?」「なぜ女子アイスホッケーチームなのか?」など、様々な国民からの批判の声が出ている中、李首相は「どうせメダルを取れる圏内のチームではない」「韓国の国家代表チームの最終的な目標はオリンピックで1、2勝することだと聞いている」と発言した。これに対して、「選手にあまりにも失礼だ」と多くの非難の声が集まり、李首相は3日後の19日に謝罪する事態になった。世論調査では、72%もの国民が南北合同チームに反対しており、なかでも30代は82%もの人が反対している状態だ。

 

果たして合同チームは無事に出場できるか?
今回の女子アイスホッケーの件を含め、この平昌オリンピックに向けての全体的な南北融和政策は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率にも影響を及ぼしている。就任以来高い支持率を維持してきた文大統領だったが、25日発表の世論調査によると政権発足後初めて50%台にまで落ちてしまった。社会的弱者に寄り添うイメージで登場した文大統領だったが、今回の南北合同チーム結成に関しては、マイナースポーツなら南北融和という大義のために選手たちが涙を飲んでも構わない、という強権的な姿勢だと思われたようだ。

あまりにも北朝鮮に手厚く接する大統領と今回のオリンピックを、平昌(ピョンチャン)オリンピックではなく、平壌(ピョンヤン)オリンピックだと言う皮肉もオンライン上で見かけるようになった。

『ハナ ~奇跡の46日間~』『国家代表2』共に、困難を乗り越えた選手たちが最後にはスポーツを通じ、お互いを認め合い、心を通わせるシーンが描かれている。また、国家断絶で離ればなれになってしまった家族が、後にオリンピックや世界選手権の舞台で選手同士として再会できることも描いている。

すでに北朝鮮と韓国の選手による合同練習も開始された女子アイスホッケー合同チームだが、政治的意図で編成されたこともあり、最終的にオリンピックの試合に無事出場できるかどうかは開けてみるまで誰も分からない状況だ。映画のようなハッピーエンディングにはいかないかもしれないが、オリンピックの大舞台で全ての選手の健闘を祈りたい。

 

本日、千葉市美浜区打瀬自宅より依頼を受け、お伺い、車椅子にて

千葉市中央区亥鼻千葉大学医学部附属病院に

通院治療をされ戻りました。